なぜ人は「ユニクロ」で済むものを 「シャネル」のブティックで買うのか?

なぜ人は「ユニクロ」で済むものを 「シャネル」のブティックで買うのか?

問題 ユニクロとシャネルの違いをシンプルに答えよ


品質の良いものを手入れしながら長く使うことが好きな人なら、こんなことを考えてみたことがあるのでは?

「一流ブランド品と呼ばれるものと、量産型の安価な商品の一体なにが違うのだろう?」

たとえば、シャネルのジャケットとユニクロのジャケット。
シャネルマークのボタンとロゴがついているほかには、なにがどう違うの??


世の中における価値が違うのはもちろんだけれど、いったいそういう「価値」みたいな先入観をとりのぞくと、品質的にはなにが違うのかな、と思いますよね。

そして、その「一流ブランド」に対するブランド価値の正体=先入観のようなもの。これってなんでしょう?
シャネルのユーズド品(中古品)のジャケットはヴィンテージになっても何万もするけど、ユニクロのユーズド品のジャケットはリサイクルショップで300円で売られていたりします。
(もちろんもともとの価格も、シャネルジャケットが20万円~30万円ちょっと、ユニクロジャケットが7,000円くらい…)

でも、どちらも服の生地はツイードで、素材の成分表示は「ウールとポリエステル」だったりして…。

つまり、それはブランドのロゴやマークが入っているかどうかなのでしょうか!?
じゃあ、シャネルマークを買うために何万も払う理由ってなに??

この記事では、クリケアユーザーの方々に向けて、なぜ人々は「ユニクロ」で済むものを、「シャネル」のブティックで買いたがるのか、という謎に迫ってみたいと思います!
そして、答えはなかなか出ない問題ですが、お金持ちもそうでない人も、「ユニクロ」と「シャネル」、いったいどっちが賢い選択なのか、どっちを選べば正解なのか、ということもクリケアなりに考えてみたいと思います!

シャネルを買う人が必要とするユニクロ製品

「ユニクロとシャネル?そもそもデザインが、ぜんぜん違うよ。デザイナーだって、外国の超有名な一流デザイナーがデザインしてるんでしょう。しかもほら、素材とか縫製だってシャネルは超一流だと思うし…」

もちろんそういう面も、昔はあったでしょう。しかし、時代はすでに変わったのです。
ユニクロだって近頃は「イヴサンローラン」の元デザイナー(クリストフ・ルメール)とコラボした素晴らしいデザインの服を毎年展開しているし、パリのトップメゾンのデザイナー(イネス・ド・ラ・フレサンジュ)ともコラボしたフェミニンで美しい服も売り出しています。

極めつきはラグジュアリーブランドのプラダの経営の一翼を担っていた大御所デザイナー(ジル・サンダー)も2020年秋からユニクロでコレクションを展開していて、そのコラボコレクションは途方もない大人気を博しています。

そう、ユニクロとシャネルの違いはかなり少なくなっています。
縫製だって、素材だって、ユニクロはそんなに悪くない。
ユニクロは、販売する価格に対してけっこう原価率も高めなのだそう。

つまり、ユニクロも価値あるものを売っているのです。

これは実際よくあることだと思いますが、都内のシャネルのブティックで服やバッグを買う人でも、近所のユニクロでも買い物しますよね。

ユニクロには天下のシャネルにも太刀打ちできるほどの実力がある…!!
これは事実ではないでしょうか?

それでもシャネルブランドにほれ込む人が後を絶たないわけは?


ここでシャネル創始者であるココ・シャネル(本名ガブリエル・シャネル)の逸話をちょっと紹介しましょう。

調べてみたのですが、このエピソードはなんの文献や資料に書いてあったのか全く不明だったので、もしかしたら細かいところまでは正確ではないかもしれません。
しかし、筆者が非常に印象に残っているシャネル自身のエピソードです。

とっても有名な話ですが、ココ・シャネルは、身体をコルセットでしめつけ、華やかなドレスを着るのが主流だった当時の流行に対し、真逆の路線を打ち出して世の中に新たな美しさを提案した人です。

具体的にはコルセットとドレスでは無く、黒っぽいすっきりしたシンプルな洋服(ワンピース)にまばゆい白いパールを合わせたファッション。

いつも通り、黒い服にパールを粋につけこなして家から出かけたシャネルは、知り合いの男性に出くわします。

その男性はシャネルに敵対する立場の人物だったのか、シャネルの個性的で斬新な服装に、嫌味っぽく「これから誰かの葬式なんですかぁ~?」とコメントしたんだとか。
現代も場合によっては同じですが、当時「黒い服」は葬儀のイメージだったそう。

そんな男性に対し、シャネルは、
「そうよ。誰のって、あんたの葬式よ!!!」
と吐き捨てて立ち去ったそうです。

このエピソード、シャネルという人物が、世の中のもともとある概念を、いかにひとつひとつ真っ正面からひっくり返していったか、よくわかるエピソードだと思うのです。

シャネルというブランドが、なんであんなに世の中でもてはやされているのか??
なんで何年たっても流行り廃りがなく、オンリーワンのキラメキをもっているブランドなのか、ちょっと、なんかすごくわかる…!という気分になるのです。

シャネルの強烈なパッションと負けん気こそが、いまも並み居るハイブランドを押さえて一段格上の存在で居続けていられる「シャネルブランド」の真髄(しんずい)なんですね。

ファッションという大きな舞台で「ほかの誰もやらなかったことを、誰とも違う方法でやり切った」のがシャネルだったんじゃないかなあ、と思うと、

「あ~~、そりゃシャネルは、やっぱりユニクロには決して作れない服を一貫した考え方に基づいてしっかり作ってるよね…」
とさえ思ってしまいます。

シャネル独特の、あのモノトーンの服やバッグ。
時代がうつりかわっていっても、絶対にカラフルで華美なファッションに転じることなく、創業当時からシック(シック=洗練されているさま)であることにこだわりつづけています。

ほかのブランドには決して真似できないほどの、この「かたくなさ」は、ココ・シャネルの美学をいまのシャネル社が忠実に守り続けている証拠なんでしょう。

実はユニクロにもシャネルにも「これじゃなきゃダメ」な理由がある

ユニクロのウルトラライトダウン、ヒートテックインナー、エアリズム、UVカットカーディガン。
これらは筆者が知る限り、ユニクロが開発し、売り出し、爆発的にヒットしていった商品です。
そしてほかのメーカーもユニクロを追うように、つぎつぎヒートテックインナーなどの類似商品を開発して売り出していきました。

ユニクロは、いまでこそシャネルにも負けない実力を誇る日本の革命的洋服メーカーですが、そのむかし、世のお洒落が好きな人には「ユニクロで買った服を着るのはダサい」と思われていました。
(むかしのユニクロ=ダサいフリース服を大量に並べて売ってる店、というイメージ。)

数々の大ヒット商品を世に送り出し、ユニクロは「安いだけの服を売る店」ではなくて「ユニクロにしか無いすばらしい商品を売っている店」へ華麗に、みごとにチェンジしていったというスゴイ歴史をもつメーカーです。

そして同じように、シャネルも、世の中の人のもともとの概念をくつがえして、華麗にのぼり詰めていった歴史を持つブランドです。

「世の中の多くのヒトが考える“フツウ”の概念なんか、知ったことか、くそ食らえ!」
と、反骨精神を発揮してやり抜いている洋服メーカーという点では、ユニクロもシャネルもすごく共通点があるような気がしてきてしまいます。(販売価格はものすごく違いますけどね!!!)

ウルトラライトダウンやヒートテックインナーなど、ユニクロにもユニクロオリジナルの「これじゃなきゃダメ」というものがあり、シャネルにもシャネルにしかない、唯一無二のシックな美しさがあります。

ユニクロとシャネルどちらで買えば正解なのか?!


「それで結論としては、ユニクロジャケットとシャネルジャケット、どちらを選ぶのが正解?!」

これは非常に難しい命題なんですが、クリケア的な考察を最後に言わせていただきましょう。
クリケアは、クリーニング業に携わる人々が発起して運営しているサイト。
それなので、どうしても「クリーニング的観点」からのコメントになってしまいますが、こんなことは言えます。

ユニクロよりシャネルジャケットの方が向いている人

■とっておきの日にしか着ない(年に2~5回くらい)
■汚すことはまず無いと思う
■どこに出ても恥ずかしくない服が欲しいし、何年も大事にしたい

シャネルよりユニクロジャケットの方が向いている人

■かなりの頻度で着たい(一か月に5~10回くらいは着る)
■汚すこともあり得る
■ヴィンテージとして大事にしようとか、何十年も所有するつもりはない

シャネルの製品は、とても高級ですが、基本的に洗濯を何度も頻繁にすることは想定されていないつくりです。
超ラグジュアリーで高価なだけに、こんなに高級な服を雑にあつかって汚しながら着る人はたぶんいないでしょ、という前提があるのです。

それに対してユニクロは、安価ですが洗濯やクリーニングを何度か行ってもそこそこ耐えられるものを売っています。
もちろんなかにはすぐにヘタレてしまう服もありますが、高級で繊細なシャネル製品よりはユニクロの方が洗濯向きのつくりなのです。
たくさん着て、たくさん洗って、1~2年でダメになる服でOK、という場合はユニクロジャケットがおすすめ。
たまにとっておきの日に着て、手入れは高級クリーニング店にしてもらって、何年もずっと大事にしたい、という人はシャネルジャケットがおすすめです。

結論としては、「ユニクロ」も、「シャネル」も、価値あるアパレルブランドだということです。

クリケアが望むのは、クリケアユーザーのみなさんが洋服をめいっぱい楽しんで、豊かな生活を送っていくことです。
これからもクリケアは、クリーニングや洋服ケアの情報もどんどん発信していきます!

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