クリケア流 優良クリーニング店の見分け方

クリケア流 優良クリーニング店の見分け方

大切な服の手入れ、どこに託す?


ものすごく気に入っているシャツ、運命のジャケット、自分に一番似合うワンピース。
そんな、「絶対にお手入れに失敗したくない一枚」。
みなさん、クローゼットの中に一着は持っているでしょう。

「さて、大事な服をどこの店にクリーニングしてもらおうかな~??」と考えて、近場のクリーニング店を一つ一つ思い浮かべても、なんだか大切な服を預けるのが、ちょっと不安になってしまいます。

なぜなら、それらの店は日本全国どこにでも存在する、ごくふつうのチェーンクリーニング店だから。
正直なところ、この店が、技術が高い本当によいクリーニングをしてくれるかどうかは、よくわからない…!!
大事な服だし、下手なクリーニング店に出したくないし、万が一失敗でもされて着られなくなってしまったら、もう最悪だ…!!

そんな風に考える方も多いと思いますが、アドバイスさせていただくと、クリケアは大手クリーニングチェーン店はあまりおすすめしません。
のちほどお教えしますが、その理由はいくつかあります。
この記事では、近所のクリーニング店から宅配クリーニング店まで、しっかりとお洋服をケアしてくれる「優良クリーニング店の見分け方」を、クリケアが指南します!

衣類・バッグ・靴などのお手入れ業界を知り尽くすクリケアならではの「よいクリーニング店の見分け方のコツ」。ぜひ、お手元にメモを用意してお読みください。

おすすめしないクリーニング店と、優良クリーニング店の見分け方

見分け方のコツその1 大量処理をしているかどうかを考えて店を選ぶ

見分け方のコツその2 ホームページに「水洗い」「手作業アイロン仕上げ」のキーワードがあるか

見分け方のコツその3 「洗えない」と断る店、取り扱う衣類の種類が少ない店は避ける

全国各地にチェーン展開しているクリーニング店。
セールスポイントは、安価なクリーニング料金や、クリーニングに出したらすぐ仕上がるスピード感です。
クリケアが、そういったクリーニング店に「とっておきの一着」を預けることをおすすめしないのは、こんな理由があるからです。

見分け方のコツ その1 大量処理をしているかどうかを考えて店を選ぶ

まずは、見分け方のコツその1の、「大量処理をしているかどうかを考えて店を選ぶ」 について。

大量処理とは、どんな方法でしょうか?
すべてではないですが、クリーニング料金が格段に安価なチェーン店などは、たいてい「大ロットの大量処理」を行っています。
「大ロットの大量処理」とは、ほかの人の何枚もの洋服と一緒に、大きな機械(ウォッシュマシン/洗濯機)で一度に洗って済ませている、ということ。

汚れや黄ばみがひどい部分の前処理をほどこすこともなく、ウールやコットンなど素材ごとに分けることもなく、洋服の種類(コートやシャツなど)ごとに分けることもしない、というクリーニング店さえあります。

当然、一枚一枚の洋服に目が行き届かず、とても丁寧で衣類に優しいクリーニングとは言えません。下手をすれば、すぐ洋服がいたむ洗い方が「大量処理」なのです。
しかも、何枚もの、ほかのお客さんの汚れがひどく付いた服と一緒に洗うなんて…これはちょっと気持ち悪い…と思わずにはいられません。

それに対して、優良クリーニング店は服を仕分けて、小ロットで洗います。

まずは洋服の状態を検品で確かめます。丁寧な検品作業は、クリーニングのカナメの部分です。しっかりと布地の状態を見て、袖口や襟元など、どこに汚れやシミがあるかを確認します。(写真や手書きで検品の記録をとることもあります。)

ひどい汚れがついているようなら、下洗いが必要なので別に分けて、汚れが少ない衣類と一緒に洗うことはありません。

そのうえで、色落ちに備え、洋服の色ごとに仕分けます。
真っ白のシャツをほかの色物と一緒に洗うことはありません。

また、ウールやシルク、コットンなど、素材によって洗い方を変えるので、1点1点の素材をきちんと確認し、さらに素材の種類ごとに仕分けてから洗浄します。
シルクなどの素材の繊細な衣類には、クリーニング職人による手作業洗浄も使い分けます。

そしてシミの箇所や黄ばみの部分には、本洗いの前に、ブラシを使った前処理洗浄を施します。

このように、細かな確認作業を行い、数枚ずつ仕分けてから丁寧に洗浄処理を行うため、コストと手間暇がかかるのは断然、小ロットでのクリーニングです。
「大ロットでの大量処理」で、マシンでササッと何枚も洗って済ませてしまえば、コストパフォーマンスは最高でしょう。
クリーニング料金が相場より格段に安いお店は、コスト削減のため大量処理を行っている可能性が高く、おすすめできません。

大量処理をしていないクリーニング店は、ホームページやパンフレットに「小ロットで洗っています」という記述があるか、相場よりクリーニング料金の高い「高級クリーニング・ラグジュアリークリーニング」である店が多いと言えます。

結論 その1

相場より格段に料金が安い店を避け、「小ロット洗い」をしている店か、「高級クリーニング店」を選ぶと、優良クリーニング店にあたりやすい。

見分け方のコツ その2 ホームページに「水洗い」「手作業アイロン仕上げ」のキーワードがあるか

次に、見分け方のコツその2。
ホームページに、「水洗い」「手作業アイロン仕上げ」のキーワードがあるか、についてです。

結論から言ってしまえば、ホームページにこれらのキーワードが載っている店は、技術が高いクリーニング店が多いと言えます。

「水洗い」とは、ウールやカシミヤ素材、シルク素材、またはスーツなどを、ドライクリーニングに頼らず水で洗っているかどうなのか、ということ。

ドライクリーニングとは、石油由来の特殊な溶剤で洗うクリーニング法です。

油汚れがべったりついた衣類など、ドライクリーニングが洗浄法として最適である場合もありますが、通常の着用でついた汚れは、実はドライクリーニング洗いでは落ちないのです。

人体から出る汗の汚れは、水溶性です。
汗の成分は、若干の皮脂とミネラルと水分で構成されているからです。

しかしドライクリーニング溶剤は、石油由来で油溶性のものです。
水溶性の汗汚れは、ドライクリーニングの石油由来の油溶性溶剤で落とそうとしても、とても落ちにくく、汚れの多くが服に残ってしまうのです。
(※オイルクレンジングのイメージに近いですが、油性の汚れがついている場合は、逆にドライクリーニングをすればよく落ちます。)

そしてドライクリーニングを何度もくり返した衣類は、質感が変わり、生地が重くなっていく感じがします。布がやせて、袖通しが悪く、ヒンヤリとした着心地に変わってしまう場合もあります。
これはドライクリーニング特有の現象で、水洗いした洋服には起こりません。
水洗いは、きちんと適切に洗えば、汗汚れも落ちて生地がさっぱりと軽くなり、ふっくら美しく仕上がります。

つまり水溶性の汚れをしっかりと落とすことができ、洋服生地の質感や着心地も守れるのは、「ドライクリーニング」ではなく断然「水洗い」のほうなのです。

しかし、ウールやカシミヤやシルクは、性質上とても繊細な素材です。

水洗いしたほうが洋服のために良いとはいえ、水洗いのやり方によってはあっという間に縮んでしまって、二度と着ることができなくなってしまうという大きなリスクがあります。(※ドライクリーニングであれば、まず縮むことはありません。)

ウールやカシミヤやシルクに水洗いを施すことができるクリーニング店とは、その問題を非常に高度な技術力でクリアしています。

ドライクリーニングが適した服に「水洗い」ができるクリーニング店は、手間をかけて洋服を丁寧に洗い上げることができるクリーニング職人が在籍していて、高度な設備を使いこなしながら、上質なクリーニングを行えるだけのメソッドを持っている店だ、という証拠になるのです。

蛇足ですが、ここでちょっと注意して欲しいのは、「汗抜きクリーニング」と「水洗い」は違うということです。

「汗抜きクリーニング」というのも良く聞くクリーニングメニューのひとつですが、これはドライクリーニング溶剤に界面活性剤を多めに配合して洗浄する方法です。そのため、「汗抜きクリーニング」はドライクリーニングの一種ともいえるのです。
「汗抜き」ではなく、「水洗い」「ウェットクリーニング」などの言葉をアピールしているお店を積極的に探すようにしましょう!

そして、もうひとつキーワードをお教えしますが、それはホームページに「手作業アイロン仕上げ」と書いてあること。

アイロンプレス機でパッと仕上げるのではなく、メンズのジャケットなどをクリーニング職人が手作業アイロン仕上げで仕上げている店は、クリーニングの技術全般とてもこだわっているお店が多いのです。

そもそも、手作業アイロン仕上げで立体的にジャケットや背広を仕上げるのは、とても高度な職人技です。
業務用アイロンを使いこなし、スチーム(蒸気)を適度にあて、袖や襟元など部位ごとに専用の道具を使い分けながら、衣服を形よく仕上げていくのが、職人による手作業アイロン仕上げです。
何年もクリーニング職人としての経験を積んで、アイロン技術に習熟しなければ、洋服を立体的な美しい形に整えることはできません。

「手作業アイロン仕上げ」が提供可能な店は、きちんとしたクリーニング職人が在籍している可能性がとても高いクリーニング店だ、ということなのです。

結論 その2

ホームページやパンフレットに、「ウールの水洗い」や、「手作業アイロン仕上げ」を行っている、と書いてあるクリーニング店を選ぶと、優良クリーニング店にあたりやすい。

見分け方のコツ その3 「洗えない」と断る店、取り扱う衣類の種類が少ない店は避ける

見分け方のコツ その3は、「洗えない」と断る店、取り扱う衣類の種類が少ない店は避ける ということです。

「洋服を持ち込んでも、カウンターにいる店員さんに、これはクリーニングできません、とすぐ断られる」
「高級ブランド衣類を持ち込んでも、これはクリーニングできないので、と言われて返されてしまう」

こんなクリーニング店に遭遇した経験がある人も、少なからずいるのでは?
もしそんなお店に出会ってしまったら、クリケアは、「そのお店は、二度と利用しないほうが良い!」と考えます。

ましてや、「とっておきの大事な洋服」は、絶対に預けてはいけません。

こういったお店がクリーニングできない、と断る服は、超高級ブランドの洋服や、生地にビーズやスパンコールなどの飾りがついている衣類、染め方の甘いシルク衣類(エミリオ・プッチの衣類など)、オイルドコートなどです。
こういった洋服は、確かに、プロの技術をもってしてもかなり洗うのが難しいもの、とは言えます。

けれども事実として、本当に技術が高いクリーニング店は、洗うのが難しい服も受け付けていますよ。


そもそも、クリーニング店のほんとうの使命は、家でお客さん自身が洗うのが難しいものさえも、プロの技でしっかりキレイにすることではないでしょうか?

確かな技術があれば、超高級ブランド服や、生地にビーズやスパンコールなどの飾りがついている衣類、染め方の甘いシルク衣類(エミリオ・プッチの衣類など)、オイルドコートなども、ちゃんとクリーニングできます。
クリーニング業界をよく知るクリケアが断言しますが、これらの衣類は、「クリーニングすることは難易度が高い」けれど、「クリーニング絶対不可能!!」なものではありません。

つまり、すぐに「できませんよ」と断ってしまうクリーニング店の実態とは、「経験豊富なクリーニング職人がおらず、技術力が全般的に低い」ということ。

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万が一、お店が洗浄や漂白処理に失敗して、洋服が着られない状態になってしまったら、弁償問題に発展してしまいます。
失敗までいかなくても、洗うことが難しい洋服は、クリーニング作業にとても手間がかかります。

「弁償のリスクは背負いたくないし、わざわざ手間暇をかけるのも嫌だ」というわけで、技術に自信のないクリーニング店は、洗うことが難しい服の受け付けはせず、断ってしまうのです。

同じことは、取り扱う服の種類が少ない店にも言えます。

技術力に自信がないために、特殊なもの(ドレスやダウンジャケットなど)・洗うことが難しい服などを避けた結果、クリーニングできる取り扱い衣類の種類が少ない、ということになっているのです。

結論 その3

本当に技術に自信がある店は、クリーニングが難しいものも受け付ける。すぐに断る店や、取り扱い衣類の種類が少ない店は、信用しないほうが良い

クリケアが、シビアな目線でクリーニングを語るのはなぜ?

クリケア運営部と、クリケア運営を後援するファッションケア協会も、長くクリーニング業に携わってきた人々です。
そんなクリケアが、かなり辛口で、シビアに世の中のクリーニング屋さんを語るのは、こんな理由があります。

世の中には、「ほんとうに技術の高いクリーニング店」というものが存在しています。しかし多くの人は、大事な服を、近場にある料金の安い大型チェーンに任せています。
家にも洗濯機はあるでしょうが、わざわざクリーニングに出すのだから、それは、どちらかといえば大事にしている服でしょう。
そしてたいがい、大型チェーンのクリーニング店から帰ってきた服は、ふつうにキレイに仕上がっています。クリーニング作業に大失敗されて、服が二度と着られなくなってしまう、というのは、ごく稀なケースです。

しかし、クリケアは、「ほんとうに技術の高いクリーニング店」の仕上がりをもっともっと世の中の人に知ってほしいと思うのです。

きちんとお手入れした洋服は、自分の子どもや孫にも受け継ぐことができるほど美しいまま長持ちします。

一般的なクリーニングで、満足してほしくない。
もっと超一級のクリーニング技術を体験して欲しい。

そんな思いで、クリケアは今後もシビアな目線でどんどんクリーニング店を語り続けていく予定です。

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