ただ黙って見ているだけというのは、もう止めよう

ただ黙って見ているだけというのは、もう止めよう

~服のカビや染み抜きを、セルフ水洗いやクリーニングで成功させる方法~

困っているのは分かる。だが、手をこまねいているだけでは、何も解決しない。

お気に入りの服を着ていてあるときコーヒーを服にこぼしてしまい、何とかして染みになるのを防ごうとしたが、うまくいかなかった場合。

シーズンオフの間にしまっておいた服をクローゼットから出してみると、びっしりとカビがついていた場合。

寒い時期になって、チェストからセーターを取り出したとき、虫に食われていた場合。

「あぁ……」と、何ともいえない残念な気持ちになる。

自分がこれから着ようと思っていたもの、これからも着ようと思っていたその未来が、いったん途切れてしまうから。だが、黙って手をこまねいていても始まらない。

やるべきことをやれば、またいつものように着られるかもしれない。きっと、あなたの人生にも言えることだ。

染み抜きは「何が染みているのか」を知ってケアする

衣類についた染みを抜く場合、決して「とりあえず」で処理してはいけない。

人の個性同様、染みにもいろいろあるのだから。クリーニングに出すところまで染み込んでいて気付かなかった場合、大抵はその理由が分からないものだ。

しかし、水をたらすことで、汚れの成分にある程度当たりをつけることができる。

コーヒー・ジュースなどは、ついてすぐなら水をつけて拭くだけで落ちるので、水洗いはある程度有効だ。長い時間放っておかれていたら汚れが居場所を見つけてしまうが、こまめにチェックしていれば染みは防げるだろう。

血やインクのように濃いものは、色がどうしても残ってしまう場合があるから、そのような状態になってしまったら漂白剤を使えばOK。油汚れの場合、ドライクリーニングと相性が良いので、クリーニングに出すのも効果的だ。

しかし、自分でケアしたいなら、台所用中性洗剤やアルコールなどの有機溶剤を使うのがよいだろう。

モテる殿方であっても、ドラマのように口紅がシャツについているのは、実際にはあまりファッショナブルとは言えない。泥土や墨などは、そう簡単に取れない。

墨に至っては、千年以上残る書物さえあるのだから、当然衣類についたら頑固に歴史を刻むことだろう。

そんなときは、クリーニングのプロに相談すべきだ。

サビ・カビのケアには一味違ったアプローチが必要

水や油のように、生活に近い部分から発生する汚れであれば、身の回りにあるものやドラッグストアで手に入るものでケアすることも可能だ。

しかし、サビやカビのように、時間の経過や生物そのものに対するアプローチは、少し異なったものになる。

エンジニアブーツやツナギなど、時として男らしさを感じさせる衣類にはアクセントになるかもしれないが、あまりに何もケアしないというのも問題だ。

まずはサビ。

ホックのような金属部分が錆びているときは、いわゆるサビ落とし液というものを使う。その正体はシュウ酸。

ほうれん草などの野菜にも含まれる成分だが、化学薬品として使用する場合は劇薬にもなる、取扱注意の物質だ。プロ仕様のツールだが、みるみるうちに汚れが落ちる。ただ、軽度のものなら混合洗剤で落ちることもある。

次はカビ。

カビはもし見つけてしまったら愕然とするだろう。そのひどい変わり方に、自分の手入れや衛生観念を自分で疑ってしまう人もいるかもしれない。

しかし、命あるものを否定する必要はない。レザージャケットがカビるのも、そもそも一つの命が材料になっているからだ。

カビがついて新しいものは、しっかり乾かした後、丁寧にブラッシングを行えば落ちるだろう。ただ、水洗いしないとカビの胞子は落ちないので、注意が必要だ。色で言えば青色・白色のカビが該当する。

ちなみに、カビを放置しておくと、どんどん色が濃くなっていく。自分の居場所を確保するために必死なのだ。そして、カビをしっかり落としてもカビ跡はそのまま残ってしまうので、それを今後の教訓として残しておくか、濃色で染めてもらうかはあなた次第だ。

クリケアの職人なら、カビを除去した後のケアもしっかり行える

クリケアでは、カビでダメにしてしまったコートの対応例が数多くある。以下に、主な事例の一部詳細をご紹介したい。

【事例】
レザーコートを持っていたが、しばらくしまっていたらカビでダメにしてしまった。色を何とか直して欲しい。

■修復のポイント
レザークリーニングの実績・技術を持つ工場でクリーニングを行った。カビは可能な限り除去。しかし、風合いをリセットするため、リカラーを行った。

リカラーは、おそらく個人では難しい芸当だ。もともとの色合いを覚えている可能性こそあるが、具体的にその色を自分で作れるかというと、決して簡単なことではない。

プロは、わずかな過去の症状を残った部分から推測し、よりイメージに近づける技術を持っている。

もし、ブラッシングしてもカビが落ちなかったり、どうしてもシミが取れないようなら、一度相談して欲しい。

ただ黙って見ているだけでいるのは、もう止めよう。

きっと、あなたの人生もしっかりアクセルを踏めるはずだ。

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