皮革衣類


写真:皮革衣類のクリーニング作業の様子

ライダースジャケット、レザーベスト、レザージャケットなどの皮革衣類は、布製の洋服と同じように洗濯や手入れをすることは難しく、持ち主の手によるセルフケアは、ほぼ不可能とも言えます。

しかし、どんな品物にも言えることですが、汚れやキズが気になってきたら、ひどい状態になる前にケアを施すことが大切です。

こまめにプロの職人によるメンテナンスを施せば、よりキレイな状態で、気に入っているレザー衣類を長く楽しむことができます。

レザー衣類のメンテナンスの順序
技術者・専門スタッフによるレザー衣類の検品作業
検品作業によって、皮革素材の種類・接着/縫製の状態・染色の状態、汚れ・シミの有無などを確認して、記録をとる
レザーにとって一番適切な方法でクリーニングする
ふき取り洗浄やドライクリーニング、水で洗い上げる丸洗い洗浄など、最も適切な方法で、皮革衣類をクリーニングする
希望がある場合は「リカラー」で補修する/希望がある場合は「色替え」を施す
クリーニング後、依頼者の希望がある場合には、キズや汚れを補修する「リカラー」や、皮革衣類の色を染め変える「色替え」を施す

クオリティの高い皮革衣類のケアを施すためには、高度な技術力と、豊かな経験に裏打ちされた正しい知識が必要です。

たとえレザーメンテナンスの店を構えるプロの技術者であっても、ほんとうにレベルの高いメンテナンスを施すことができるのは、ほんの一握りの技術者のみに限られます。

クリケアが認める、国内有数の技術をもつ職人が手掛けている優良店の皮革衣類ケアは、このように行われています。

何よりも先に、技術者・専門スタッフによる丁寧な検品作業が行われる


写真:メンテナンス工房で、一点一点の検品を待つ皮革衣類

レザー衣類のクリーニングやリペアの作業に入る前に、はじめに行われる作業が、「検品作業」です。

皮革衣類の洗浄やリペア作業をどう行っていくのか、検品の結果によって決定されます。そのため、実は最も重要な作業であるとも言えるのです。

まずはお客さまから預かった皮革衣類の品質表示のタグを確認して、なんの皮革なのかをチェックします。
牛革か、羊革か、豚革なのか、蛇革などの爬虫類革か、どのような動物の皮革なのか確かめます。
また、同じ牛革であっても使用されている牛革の部位はどこのものか、表面の加工はどのようにされたものか見極め、一項目ずつ記録を取ります。


写真:皮革のイメージ

そして、皮革の種類の次は、製造国や染色の方法を確認します。
タグの「made in ○○」という表記を確かめて、どこで作られたものなのか把握します。
それぞれの製造国によって皮革の加工法に特徴があるため、どのような方法で製造された革なのか判断する目安として、役に立つのです。

また、染色の方法も確認します。
定着の良い染料で染められた革なのか、そうでない染め方がされているのか、簡単なテストをして見極めていきます。皮革衣類の裏側の部分など、目立たない箇所を洗剤やクレンジングウォーターを含ませた布で少し拭き、色が落ちないか確かめるのです。

そして、接着の状態や皮革の縫い目も確認し、汚れている箇所や黒ずんでいる箇所、大きなキズがある箇所、細かなキズがついている部分などを把握し、裏地の状態なども丁寧に確かめ、記録を取ります。

専門スタッフがすべての確認項目をしっかりと把握したら、ようやく次の工程を始めることができるのです。

皮革衣類のレザーにとって、最も適切な方法でクリーニングする

皮革衣類は、「黒ずみや汚れ・泥はね・シミが見受けられるからクリーニングしなくては」と、すぐさまクレンジングウォーターでふき取りをしたり、安易に皮革衣類用洗剤を入れた水で丸洗いを始めてしまうことはできません。

写真:優良クリーニング店の洗浄処理。皮革洗浄剤をスプレーし、ブラッシングして汚れを落とす

万が一、クレンジングウォーターでふき取りをしたレザーの染色が甘ければ、ふいた部分の皮革の色があっさりと落ちてしまいます。

また、最適な洗い方であると見極めもせず、安易に皮革衣類用洗剤を入れた水で丸洗いをしたら、品物によっては、革が大きくいたんで、劣化して二度と着られない状態になってしまう、という事態を引き起こします。

皮革衣類のクリーニングは、はじめに行った検品作業の結果から、適切な方法を慎重に選んでから、じっさいに作業することになります。

例えば、検品した結果、染色が比較的きちんとされていて、表面の汚れ・黒ずみや泥はねが見られる、という皮革衣類の場合は、洗浄用に用意した柔らかなスポンジや布にクレンジングウォーターを含ませ、皮革の表面の汚れを丁寧にふき取っていく、というクリーニングを施します。

また、油っぽい・黒ずみがひどいなど、かなり汚れていて、丸洗いを行ったとしても大きく性質が変わらないレザー衣類であれば、皮革専用の洗浄剤を使って水で丸洗いして、最後に皮革衣類を水に溶かした加脂剤(かしざい)にさらして仕上げます。


写真:優良クリーニング店によるレザー衣類の丸洗い処理の様子

加脂剤は、水で丸洗いした皮革が乾燥してひび割れたり、表面が劣化してしまうことのないよう、適度に皮革を保湿する作用を持ちます。
たとえるなら、シャンプーのあとのリンスやトリートメントのように、皮革をなめらかに洗い上げるため、洗浄処理の最後に加脂剤を使って仕上げるのです。
革のなかでも、スウェードやムートンなどの素材のレザー衣類や、風合いの変化を楽しめるライダースジャケットなどに、水洗いをして加脂剤を使って仕上げる方法を採用することが多いのです。

そして、皮革衣類クリーニングにおいてもっとも多く用いられている洗浄法が、専用の溶剤を使って洗う「ドライクリーニング」です。

革の染色の状態が不安定でクレンジングウォーターや水を使うと色落ちしてしまうリスクがあるとき、裏地やレザーに油っぽい汚れがあるときも、ドライクリーニングであれば、レザー衣類をキレイに洗浄することができます。

クリーニング後は、お客さまの希望がある場合は「リカラー」で補修する/希望がある場合は「色替え」を施す

無事に洗浄が終わり、乾燥処理も終了してレザーがしっかりと乾いたら、次は皮革衣類のリペア作業に入ります。

お客さまの希望に応じ、クリーニングのみで終了する場合もありますが、「リカラー」や「色替え」といったレザーの補修を施すと、より美しい仕上がりが実現できるのです。

「リカラー」とは、レザーについた細かなキズ、レザーのひび割れ、クリーニングで除去しきれなかったレザーの小さなシミや汚れなどをリペアする技術です。

はじめに、皮革修復の技術を有する職人が、染料もしくは顔料の異なる色を何色か混ぜ合わせて、そのレザー衣類のレザーの色にぴったりの色を作り出します。
かんたんな下準備のように思えますが、リカラー技術において、実はいちばん重要で難易度が高いのは、この色の調合工程です。
それぞれの皮革衣類にぴったりとなじむ色をきちんと作り出せなければ、キズやシミをごく自然に、目立たないように補修していくことはできません。


写真:作業場に用意されている染料・顔料のボトル。皮革に合う色味を作り出せるよう、何色も常備されている。

染料または顔料の色調合ができたら、皮革のキズやシミ、汚れ部位に色を塗り付けていきます。

エアブラシや細筆などの専用の用具を駆使して、キズやシミの周囲となじませるように薄く色を乗せ、きれいに修復していきます。


写真:染料/顔料をスプレー状に吹き付けることができる「エアブラシ」を使うリカラー作業の様子

皮革衣類に、大きなキズや、広範囲ににじんでしまった水濡れ箇所、大きな色落ち箇所があるという場合は、有効な手段として「色替え」という修復方法を採用することもあります。

色替えは、皮革衣類の色そのものをまったくべつの色に塗り替えてしまう方法です。
リカラーのような部分的な補修でリペアしきれない大きなキズやシミも、色を塗り替えてしまえば目立たないように隠せる、という利点があります。

また、皮革衣類に気になるキズやシミは無いけれど、レザーの色をまったく違う色に変えて楽しみたい、というときにも、お客さまの希望に応じて「色替え」を行うことがあります。

(※「色替え」は、多くの場合、「薄い色から濃い色」へ塗り替えることは可能ですが、「濃い色から薄い色」には、塗り替えができないこともあります。
例:水色のバッグを焦げ茶色にすることは可能だが、黒のバッグを水色に塗り替えることは難しい。
この場合は、染料・顔料の色を上から塗り付けても、下の黒い色がすけてしまうような状態になり、うまく水色が発色しないことがあります。
そのほか、皮革衣類の状態や素材によっては色替え技術を施すこと自体が不可能、という場合もあります。)

ライダースジャケット、レザージャケット、レザーベストなどの皮革衣類は、熱心な愛好家やコレクターが存在するいっぽうで、洗濯ができない・セルフケアができない、という手入れの難しさから、手に取ることをためらう人もいます。

しかし、高度な技術をもつ技術者が手掛けてくれる、信頼のおけるクリーニング店が見つかれば、ライダースジャケットやレザーの服を気楽に手にすることができて、洋服選びの選択肢がさらに広がるのではないでしょうか?

クリケアは、さまざまな洋服を自由に選んで、めいっぱいファッションを楽しんで欲しいと思っています。
よい服を所有することは、手間暇をかけたお手入れをすることも含めて、人生を豊かに彩ってくれます。

クリケアは、ハイレベルな技術を持つ優良クリーニング店を探しています。
自薦・他薦を問わず、レザー衣類を高い技術でケアすることができるクリーニング店の情報をお持ちでしたら、ぜひクリケアにご連絡ください。