一般衣類


写真:クリーニング工場で洗浄処理を待つジャケットやワンピース、ダウン衣類

一般衣類とは、主に、ワイシャツ、ブラウス、スーツ、スラックス、パンツ、スカート、ワンピース、コート類・アウター類など、洋服全般のことを指します。
これら一般衣類は、街のクリーニング店や宅配クリーニング業者など、国内の多くのクリーニング店で取り扱いがあります。

しかし実際のところ、街に存在するクリーニング店や、宅配クリーニング店すべての店が、洋服にとって最も良い方法を採用して、クオリティの高いクリーニングを行っている、と思うでしょうか?

「プロに預けるのだから、どのクリーニング店でも、しっかりとした方法でちゃんとクリーニングをしてくれているのだろう」
そんなふうに考えている方も多いのですが、残念なことに、必ずしもそうとは言いきれません。

極端な低料金でクリーニングを提供するクリーニング店などは、「本当に洋服にとってよいクリーニング」とは、とても言えないような方法で、お客さまの大切な服を洗っていることもあります。

写真:優良クリーニング店では、洋服の種類によって、必要であれば一枚ずつ手作業洗いで処理している

クリケアでは、とくに大事な服をクリーニング店に預けるときには、以下に挙げるようなクリーニング処理を採用しない店を選ぶことをおすすめしています。

「おすすめできないクリーニング処理法」を決して行わない店こそ、良いクリーニング店、技術の高いクリーニング店の特徴だと言えるのです。

おすすめできないクリーニング処理法の例
検品作業を行っていない・検品作業を徹底していないクリーニング
どこに汚れやシミがあるか把握するための「検品作業」を徹底して行わなければ、的確なクリーニング処理ができません
しみ抜き・ブラシ洗いなど前処理を行わないクリーニング
汚れのひどい箇所やシミを前処理せずにマシン洗浄を行っても、汚れは落とし切れずに残ったままお客さんの手元に返却されてしまいます
何枚もの服をマシンで一度に洗って済ませるクリーニング
これは大ロット処理・大量処理といい、服がいたみやすく、汚れが落ちずに服に残りやすい方法です
素材や服の種別に関わらず、ドライクリーニングを多用
水洗いが最適の品物にドライクリーニングを多用することはおすすめできません。ドライクリーニング多用により着心地が悪くなってしまうことも

【ダメ】検品作業を行っていない・検品作業を徹底していないクリーニング
【優良】丁寧な検品で、洋服の状態をきちんと把握するクリーニング

まず一番に言えることは、
「預かったお客さまの洋服の一点ずつを、きちんとすみずみまで確認しているか?」
ということは、とても重要なポイントです。

見たり触れたりして、どこにどんな汚れが付いているか、シミはあるのか、黄ばみや黒ずみがないか、ニオイや香りがついていないか、取れかけているボタンはないか、ほつれている箇所はないか、など、袖やえり元、スソなど部位ごとに細かく確かめながら、職人が洋服の状態をキチンと把握しなければ、実際に洗い場で的確なクリーニングを施すことができません。

その「洋服が今いったいどんな状態なのか」を、職人がしっかりと把握すること。
これこそが、クリーニング業界で「検品」と呼ばれる作業です。
検品は、クリーニングの仕上がりの良し悪しにも、大きく関わってきます。

クリーニング工場で立ち働く熟練のクリーニング職人の間では、
「技術が高い良いクリーニングとは、検品に始まり、検品に終わる」
と実際に言われているほどなのです。

(※じつは比喩(ひゆ)でなく、優良クリーニング店では、洗浄作業前と、すべての作業終了後には検品があります。全工程の最初と最後に、2回検品作業を行うのです。)

写真:お客さまの服を検品台に備え付けられた高画質カメラで連写撮影している様子

優れたクリーニング技術者のいるクリーニング店では、手間暇をかけて、じっくりと検品作業を行っています。
どの部分に汚れ・シミが付いているのか、どこにほつれがあるなど、細かく確認して、記録を取ります。高画質カメラを使って洋服を撮影し、服の状態をあとから視覚的に把握できるよう、画像保存しておくこともあります。

【ダメ】しみ抜き・ブラシ洗いなど前処理を行わないクリーニング
【優良】しみ抜きやブラシ洗いなど念入りな前処理を行うクリーニング

ていねいな検品作業で、汚れ・シミのついた箇所、ほつれがある箇所などをきちんと把握できたら、次にその部分に「前処理」を行います。
「前処理」とひと口に言っても、何種類か方法があります。

例えば、ほつれている部分を検品で発見したら、洗うことでそれ以上ほつれないように糸やピンで留めておく、シミや汚れを見つけたらブラシを使って汚れ落としやシミ抜きを施しておく、黒ずみ・黄ばみを見つけたらピンポイントに漂白剤を使用して漂白処理を施しておく、など。

これらの作業を本格的な洗浄の前に行うことを、クリーニングでは「前処理」といいます。

写真:前処理として、襟元の黄ばみ箇所にブラシ洗いをしている様子

コスト削減のため、この「前処理」を省いて、即マシンに入れて洗いはじめてしまうクリーニング店も存在します。
しかしそれでは、クリーニング後の服の仕上がりに大きな差が生まれてしまいます。

前処理を省いた結果、マシン洗いのみで落とし切れなかった汚れ、シミ、黄ばみ・黒ずみが残ったまま、お客さまの手元に返されてしまう、といったこともあります。
そればかりか、前処理を行わないクリーニングでは、お客さまの大事な服が二度と着られない状態になってしまった、という事態も起こり得ます。

洋服にほつれがあったのに、前処理としてほつれを補修したり、ピンでとめたりする作業をしないままウォッシュマシンに入れて洗ってしまい、マシン洗浄による物理的ダメージで、その部分が大きな穴になって破れてきて、洋服がだめになってしまった…。
前処理を怠ると、このようなケースも引き起こしかねないのです。

【ダメ】何枚もの服をマシンで一度に洗って済ませるクリーニング
【優良】服を分類して洗い方を使い分けるクリーニング

丁寧な前処理を終えたら、次はいよいよ本洗いです。

優良クリーニング店の本格的な洗浄処理で、マシン洗浄・手洗い・シャワー洗い・ドライクリーニングなど、洋服ごとに、こと細かに洗い方が使い分けられているのは、なぜでしょうか?
当たり前のこと、と思うかもしれませんが、その目的はもちろん「服がいたまないよう、服にとって一番良い洗浄方法で、汚れをきちんときれいに落とせるようにクリーニングするため」です。


写真:水洗いによって縮んでしまう危険性がある服も、安全に水洗いすることができる「マイクロバブルウォッシュ方式」のマシンで洗浄している様子

言うまでもなく、洗い方を使い分けずに、すべての服を同じ方法で洗うことは、極めてハイリスクな行為です。

優良クリーニング店の工場では、本格的な洗浄の前に、まず職人がお客様の洋服を仕分け、グループごとに分類していきます。
この作業では、お預かりしている服一枚一枚を素材ごとに分け(シルク・カシミヤ・綿・ポリエステルなど)、服の構造や性質ごとに分け、さらに色ごとに分けて、そしてどのような汚れがついているかによっても分類していきます。

ここでは、クリーニング職人の持てる知識と経験を総動員して、ミスのないよう的確に洋服を仕分けていく必要があります。

万が一、クリーニング職人がうっかり分類を間違ってしまったら、シルクとポリエステルをまったく同じ方法で洗う、というような事態になってしまうのです。
間違った分類作業によって適切な洗浄方法がされず、お客さまの大事な洋服がいたんで着られない状態になってしまう、ということは、クリーニングの現場において、絶対にあってはならないことです。

分類作業を終え、数枚ごとの複数のグループに分けられた服は、それぞれの品物に最適の洗浄処理ができる洗い場へ持ち込まれ、マシンや手洗いで丁寧に洗い上げられます。


写真:優良クリーニング店の、マッキントッシュ製のコートの洗浄処理。洗い場で、手作業で石けん溶液を馴染ませ、優しく洗い上げている

しかしこの分類作業を省いて、洗浄法の使い分けを行わない「大ロットでの大量処理」をしているクリーニング工場も存在しています。

「大ロットでの大量処理」とは、ウールもコットンもシルクも、何枚も大量に同じマシンに放り込まれ、同じ洗剤を使って一度に洗って済ませてしまう方法のこと。
このようなやり方では、一枚一枚の服がいたむばかりでなく、白い服に黒い服の色が移ってしまう、汚れのひどい服から出た汚れ成分が、ほかの服に付着してしまう、といったアクシデントが起こり得ます。

優良クリーニング店では、大ロットでの大量処理は決して行いません。
必ず、「服を細かく分類してから、洗浄法を使い分け、小ロットで洗い上げるクリーニング」を行っています。

【ダメ】素材や服の種別に関わらず、ドライクリーニングを多用
【優良】ドライクリーニングの利点を活かしつつ、水洗いと使い分けるクリーニング

ドライクリーニングは、石油系の溶剤を使用して洗うクリーニング方法のこと。
油性の溶剤で服を洗う、という点において、イメージとしては「オイルクレンジング」に近いものです。

ドライクリーニングのメリットは、ウールのコート・シルクのおしゃれ着・ウール混のスーツなど、繊細な洋服全般が失敗なく洗えるということ。
これらの繊細な洋服は、安易に水で洗うと縮んで着られない状態になってしまうことがあります。

その点、ドライクリーニングなら大丈夫です。水は使わず石油由来の溶剤で洗うので、縮む心配はありません。

しかしドライクリーニングには、じつはデメリットも存在します。
まず、汗や果実ジュースの汚れのような、水溶性の汚れがとても落としにくい、ということ。

ドライクリーニングは、油性の溶剤で洗うので、油性の汚れはよく落ちます。


写真:市販のオイルクレンジングのイメージ

これは例えるなら、せっけんや洗顔フォームより、オイルクレンジングで、ファンデーションや口紅を落としやすいのと同じことです。

ファンデーションや口紅は、ミネラルオイルなどの油分を基剤に作られているので、油と界面活性剤でできているオイルクレンジング料ならカンタンに落とすことができます。

しかし、残念ながら洋服についている汚れは、すべて油性の汚れとはかぎりません。

汗やニオイ、食べ物(油もの以外の食べ物)/飲み物の汚れ・シミ。
これらは、実はドライクリーニングが最も苦手とする汚れ=水溶性の汚れなのです。


写真:ブラウスについたシミ

つまりドライクリーニングをしても、水溶性の汗やニオイや飲み物の汚れは落ちない。そうすると、もう一つのデメリットが生まれてしまいます。

ドライクリーニングを何度か行った古いウールコートを着てみたことがあれば、よくわかると思いますが、実はドライクリーニングを何度も洋服に施すと、着心地が変わってしまうのです。

ひんやりと湿っぽい感じがして、なんとなく重たい。新品の時と着心地が違う気がする。
この現象は、ドライクリーニングを繰り返した洋服にみられる独特の現象です。その原因は、ドライクリーニングで落としきれなかった水溶性の汚れが蓄積した結果である、と言われています。

多くのクリーニング店で、ウールコートやシルクのおしゃれ着、ウール混スーツは、預けると即ドライクリーニングされてしまうことも珍しくありません。
しかし、優良クリーニング店はこのドライクリーニングのデメリットをよく理解しています。

そのため、一部の優良クリーニング店は、ドライクリーニングよりさらに技術力や設備投資が必要になる「水洗い=ウェットクリーニング」にこだわっています。

ウールやシルクの洋服は、「通常の水洗い」では縮んでしまい、いたんでしまう。

しかし、技術力の高いクリーニング職人が手間暇をかけて洗浄処理を行うようにする、ミクロの泡を発生させてデリケートな服を安全に洗うことができる特殊なウォッシュマシン設備を導入する、などさまざまな工夫をして、ウールやシルクの服でも、ダメージゼロで、水洗いを施すことができる店も存在しています。

ドライクリーニングを安易に多用することなく、適切に水洗いできるようにしている店は、技術ある良心的なクリーニング店、優良クリーニング店であると言えます。

最後に、誤解のないよう書き添えておきます。
「ドライクリーニング」は、いま現在においても、場合によってはとても有益な、メリットがあるクリーニング法のひとつです。

ここまで読むと、
「つまりドライクリーニングって、やってはいけないクリーニング方法ってこと??」
そんな印象を持つ方もいるかと思います。

しかし洋服の種類・素材の性質によっては、どの洗浄法より、水洗いやそのほかの洗い方より、ドライクリーニングが最も適しているケースもあります。
優良クリーニング店で、洋服にとって最善の洗浄方法のファーストチョイスとして、ドライクリーニングが選ばれることも、もちろんあります。

ドライクリーニングも、シャワー洗いも、マシン洗いも手洗いも、つけ置き洗いも漂白処理も、どの方法であっても、それぞれの洋服に「一番良い方法」を選んでこそ、その服のためになるのです。

クリーニング職人が、的確に「一番良い方法」を選び出すためには、正しい知識と、豊かな実務経験が必要となります。

クリケアは、一般衣類を高い技術力で洗い上げる優良クリーニング店の情報を募集しています。

こだわりをもってクリーニング店を経営している方、技術がすばらしいクリーニング店を知っている方は、ぜひクリケアにご連絡ください。